
不安やストレスでいっぱいの時って、人生のつらい時期ですよね。これが長期的に続くとなると、本当にしんどいです。
でも、解決の糸口は、私たちの内側にあります。心の声を聞いて表現することで、身体の不調は和らいでいきます。
心の声はなかなか聞こえない
カウンセリングをしていると、ほろっと涙をこぼす方がいらっしゃいます。きっと、ご本人は泣くつもりじゃなかったのでしょう。
涙が出て初めて…「あぁ、こんなに自分は張りつめていたんだ…」と気づく事ができます。
心(身体)は実は、泣くことで悲しみを表現したかったのですね。
脳(思考)はウソをつきます。でも、心(身体)は正直です。
お腹が空けば『ぐぅ〜』と鳴りますし、ヘビを見れば身体が緊張します。
心の声を感じとり、うまく調整して生きていければあまり問題も起こりません。でも知らず知らずの内に、抑えこんでしまうことがあります。
自分の感情に気づく
今日、先輩4人と食事にいきました。私はちょっと心配ごとがあって、実はあまり人と会話したくなかったんですよね。
こういう時は大抵、自己否定をしていたり、自分を良く見せようという心理から、『恥』の感情が高まっています。
恥があると、逃げたい・隠したいという気持ちになりますからね。
話すことないなぁどうしよう…と思いつつも、「…実は」と、私は語り始めました。
すると、ものの5秒もしない内に、涙があふれてきました。
意外でしたね…自分では悲しみを抱えていたことに気づきませんでした。
「あぁ、俺は、泣きたかったのか」と、そこで初めて、自分の抑えてきた感情に触れることができたのです。
人は、自分で自分の気持ちに気づけないことがあるのですね。
鬱(うつ)の危険
長期間感情を抑え込んだ状態にあると、身体はダウンしてしまいます。
不安や悲しみの感情は、身体中にストレスホルモンをあふれさせます。あふれすぎてしまうと、強制ストップがかかります。これが鬱(うつ)の状態ですね。
なので感情は、表現して身体の外に出してあげなくてはいけません。
子どもは、泣き叫んでいても「ピタ」っと泣き止むタイミングがあります。表現されきって、本人の気が済んだのですね。
泣くだけ泣いてしまえば終わりがきます。
怒りも、「言いたいこと」がちゃんと言えれば気が済みますよね。スッキリするはずです。
感情について知ろう
感情というのは、太古の昔、より生き延びる確率を上げるために発達したものです。
目の前にライオンが現れたら、瞬間的に戦闘モード(戦うか逃げるか)に入る必要があります。それには「恐怖」という感情が必要でした。
また、仲間に状況を知らせるという意味でも、感情は表情とセットです。
声が届かない離れた場所からでも、表情から危険を仲間に知らせることができます。そうすれば、早い段階で逃げるという選択ができます。
感情は私たちを生き延びさせ、仲間を守り、繁栄させるために発達してきたのですね。
感情と愛
感情は大切なものを守りたいという衝動ですので、「愛を表現したもの」とも言えます。
- 大切なものが壊されそうなとき、人は怒ります。
- 大切なものを失いそうなとき、人は恐怖を感じます。
- 大切なものを失ったとき、人は悲しみます。
全部、大切にしたい何か(自分も含め)があった上での感情です。
自分が危険な目にあっているのに、彼氏が怒って立ち向かってくれなかったら、あなたは彼の愛を感じることができるでしょうか?
あなたが、自分を守るための怒りを表現できなかったら? あなたの潜在意識は、あなた自身の愛を感じることができないかもしれません。
感情を表現するということは、自分の愛を表現することでもあるのですね。
感情表現の重要性
大昔の人類は、感情を抑えるような習慣はなかったはずです。悲しかったら草原で叫び、泣きたかったら大声で泣く。
ところが、現代は感情を抑え込んでしまったり、自分の悲しみに気づけないことがあるのです。
なので、あなたの大切な感情は、あなたのために表現させてあげる必要があります。
そうなって初めて、自分の力が出せるようになります。
感情を抑え込んでがんばることを、『無理をする』と言います。努力することは素晴らしいですが、無理は続きません。
まとめ
カウンセリングというのは、あなたを違う誰かにするものでも、内向的な人が社交的になるものでもありません。
あなたが自然体で、本来の自分の力を使って生きていけるようにサポートするものです。
心の重荷を外すように、溜め込んだ感情を解放してあげましょう。きっとラクになりますよ!
悩んでる赤ちゃんや野生動物がいないように、私たちはには本来、生きるエネルギーと知恵が備わっているのです。